概要
ホンダはCEATEC 2026で、AIサポートシステムと多指ハンドを備えた遠隔操作型のアバターロボットを展示し、エンジンケースのねじ締めを実演した。工場のトラブル対応などを用途に想定し、通信遅延への対応や多指ハンド単体の工場利用も研究している。
詳しいファクト
遠隔操作とAI支援を組み合わせて実演
ホンダはCEATEC 2026で、操作者が遠隔地から作業する「ホンダ・アバターロボット」を展示した。多指ハンドとAIサポートシステムを組み合わせ、離れた場所からエンジンケースのねじ締めを行う様子を実演した。会場ではAI支援の有無を比較し、支援を有効にした場合、ロボットが指の力のバランスや工具の動作軌道を補正して、ねじの持ち替えや締め付けを行った。
出典を確認 ↗人の判断とロボットの制御を分担
本田技術研究所の山口皓大氏は、周囲の状況判断を人が担い、ロボットが精密な制御を補う構成として、遠隔操作型の開発に取り組んでいると説明した。遠隔操作では、視覚だけで距離を捉えにくいことや、グローブから接触感覚・力加減が伝わりにくいことが課題となる。AIサポートシステムは対象物の認識情報などを使い、操作者が細かく指示しなくてもロボット側で動作や力加減を調整する。
出典を確認 ↗工場利用と遅延環境への対応を研究
ホンダは、工場設備の異常など、人による状況判断が必要なトラブルへの遠隔対応を用途として想定している。また、アバターロボット全体の実用化に加え、多指ハンドを工場の生産ラインで活用する方法も検討している。通信遅延がある環境での実証実験も進めており、ロボットが現場情報を取得して操作者側で再現する方法や、対象物の状態に応じたロボット側の制御を研究している。月面作業も将来の応用先として挙げているが、実用化済みとは示されていない。
出典を確認 ↗独自観点のコメント
### 自律化を待たずに遠隔技能を使う設計
今回の構成の特徴は、作業判断を人に残しつつ、把持や工具操作の補正をAIとロボットに担わせる点にある。完全自律化を前提にせず、感覚情報の不足や通信遅延といった遠隔作業固有の問題を、作業ごとの制御支援で補うアプローチだ。展示での実演は、この分担がねじ締めの工程で機能することを示したものであり、現場での継続運用を示すものではない。
事業化に向けては、ロボット全体の遠隔運用と、多指ハンド単体の工場導入を並行して検討している点が重要だ。既存の生産ラインでハンドの用途を先に探る道筋は、遠隔ロボット全体の利用環境を整える取り組みとは異なる導入単位を持つ。まずは工場のように作業対象や設備を把握しやすい現場で、支援が必要な作業と人が担う判断を具体化できるかが、適用範囲を見極めるうえでの焦点となる。
出典
- 媒体記事 ロボスタ — 元記事を読む ↗